第一種圧力容器は、内部に危険、有害な液体を保有するものも多く、冷却、換気が十分に行われているか気を付けて性能検査を実施しています。
今回は、最近の性能検査時に体験した事例を紹介します。
【事例】
第一種圧力容器(反応器)数基の性能検査時、入槽前に安全確認(酸欠確認)を実施して数基検査を実施していた。(酸欠の確認は事業場側の酸欠測定器でマンホールより測定し、異常がない事を確認して入槽・検査を実施)
数基検査を実施し、次の容器も異常がないと思っていたところ、酸欠測定器が異常を示した(酸素15.2%)。
(原因)本容器は運転停止後、窒素でパージ(ガス置換)を行っているため、点検時等の入槽は事前に押し込みファンにて空気置換を行っていた。空気置換用チューブをマンホールから挿入する際、蓋で押し当てて固定していたため、チューブがつぶされて空気置換不足となっていた。
(対策)空気置換方法(空気置換用チューブの挿入方法等)の見直し。更に、労働者その他関係者の酸素欠乏危険場所の危険性に対する認識の向上を図る。
私たち検査員も検査業務において、検査を行う場所及びその周辺についての確認等をさらに強化し、常に安全な検査・検定を目指して労働災害防止に取り組んでいきたいと思います。